先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)疑いの精密検査から一過性高TSH血症の診断まで

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)疑いの精密検査から一過性高TSH血症の診断まで

この記事を書いている2020年 7 月時点で 2 人男の子のママです。
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2019年12月に出産した次男の新生児マススクリーニングで、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が 11 mIU/L、再検査で 10 mIU/Lとの結果が出ました。

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)を疑われ、数回精密検査を受けた結果、一過性高TSH血症だろうとの診断になりました。

この記事では、
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の精密検査
について書いています。

(※精検医療機関によって検査内容が異なる場合もありますので、参考程度に読んでください。)

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新生児マススクリーニングと先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)について

精密検査の目的

新生児マススクリーニングで要精密検査となった場合、産院や保健所などから紹介された精密検査を担当する医療機関(精検医療機関)で検査を行うことになる。

検査では、「本当に先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)か?もしそうならば、重症度はどれくらいで、原因はなにか?」を特定していくが、先天性甲状腺機能低下症の原因は多岐にわたる。

以下、こども健康倶楽部の「クレチン症の病因」のページを基に、改変(主に省略と追記)。

1. 甲状腺性(原発性)
1)甲状腺形成異常
欠損(無形性)/形成不全(低形成)/位置の異常(異所性)
※詳細→こども健康倶楽部の「異所性甲状腺について」のページ
2)甲状腺ホルモン合成障害
甲状腺の作られる過程のなかで、いずれかのところで異常が起こり、正しく合成されない場合
※詳細→こども健康倶楽部の「甲状腺ホルモン合成障害」のページ
3)地方性
4)TSH不応性
5)大量のヨード
6)胎盤からの移行物質(放射性ヨード/抗甲状腺薬/ヨード など)によるもの
2. 中枢性:下垂体性(二次性)
1)TSH単独欠損症
2)先天性下垂体ホルモン複合欠損症(PIT1異常症)
3. 中枢性: 視床下部性(三次性)
TRH単独欠損症
4. 末梢性
甲状腺ホルモン不応症

精密検査の内容

以下、次男が受けた検査内容です。
・血液検査
・尿検査
・甲状腺エコー
・レントゲン検査
・体重・身長の計測
(※精検医療機関によって検査内容が異なる場合もありますので、参考程度に読んでください。)

血液検査

甲状腺刺激ホルモン(TSH)や甲状腺ホルモン(FT3 および FT4)の値を確認。

FT4 は甲状腺の中だけで作られるのに対し、FT3 は甲状腺でも作られるが、多くは肝臓や腎臓でFT4から変換されている。

また、主に FT4 が脳の発達を促すため、 先天性甲状腺機能低下症の検査ではFT4 の値のみを参照することも多い。

その他、肝機能(AST、ALT)や黄疸(総ビリルビン)、貧血(ヘモグロビン)の指標などにも注意していく。

尿検査

尿中のヨード(ヨウ素)量を計測する。

ヨードは甲状腺ホルモンの原料となるが、多すぎても少なすぎでも甲状腺機能低下症を起こす。

甲状腺機能低下症は、世界的にみるとヨード不足が原因であることが多い。

しかし、ヨードを多く含む海藻をよく食べる日本人の場合はむしろ、母親が妊娠中に過剰に海藻類の摂取することで、ヨード過剰に陥りやすいことに注意が必要である。

また、母親の甲状腺疾患や、抗甲状腺剤の内服・イソジン消毒・胎児造影検査などが、新生児の甲状腺のはたらきに影響をおよぼしていることもある。

このため、母親のヨード濃度を血液や尿から検査する場合もある。

甲状腺エコー

甲状腺の欠損(無形性)/形成不全(低形成)/位置の異常(異所性)がないかを検査。

レントゲン検査

膝のレントゲンで大腿骨遠位骨端核を確認。

おなかの中にいる間から甲状腺ホルモンが不足している場合、大腿骨の端にある骨核ができていなかったり、小さかったりする。

体重・身長の計測

成長が平均と比較して正常かを確認。

先天性甲状腺機能低下症の場合、低身長・低体重がみられることがある。

精密検査の結果

この記事を書いている2020年 7 月時点で全 5 回の検査を受けています。
1 回目:2020年 1 月上旬(生後 0 か月)
2 回目:2020年 1 月下旬(生後 1 か月)
3 回目:2020年 2 月(生後 2 か月)
4 回目:2020年 4 月(生後 4 か月)
5 回目:2020年 7 月(生後 7 か月)
(※今後も精密検査の予定あり、追記・変更になる可能性あり)

血液検査・尿検査 については経過観察を続けています。(詳細を以下に記載)

甲状腺エコー は 1 回目のみで甲状腺の位置・大きさともに異常なし。

レントゲン検査 も 1 回目のみで大腿骨遠位骨端核異常なし。

体重・身長の計測 は毎回していますが、平均〜平均以上で順調です。

血液検査

1 回目2 回目3 回目4 回目5 回目
TSH6.614.614.221.902.06
FT41.021.051.050.970.93

【精研医療機関で提示されたカットオフ値】
・TSH:下限値0.35 〜上限値4.94
・FT4:下限値0.7〜上限値1.48

尿検査

1 回目2 回目3 回目4 回目5 回目
ヨウ素濃度11861363

【精研医療機関で提示されたカットオフ値】
・ヨウ素濃度:中央値250(300以上は過剰)〜上限値1500

結果を受けた医師の診断・指示

【 1 回目】
・甲状腺刺激ホルモン(TSH)が軽度高値持続、一方で甲状腺ホルモン(FT4)は正常。
・尿中のヨウ素過剰あり。
・ヨウ素過剰のために甲状腺がTSHを多く出しながら、甲状腺ホルモンを正常にしている可能性あり。
・お母さんがヨウ素過剰になっている可能性あり、ヨウ素(特に昆布)の摂取に注意。
・治療はせずに再受診、経過観察をしていく。

【 2〜4 回目】
・TSH、FT4共に正常。
・お母さんのヨウ素摂取量はこのまま引き続き注意。
先天性甲状腺機能低下症の疑いは低い可能性がある。
・引き続き経過観察。

【 5 回目】
・TSG、FT4共に引き続き正常。
一過性高TSH血症の可能性が高い。
・引き続き経過観察。

わたしのヨウ素量の検査はしていませんが、ヨウ素(特に昆布)の摂取量には気をつけるようになりました。
…とはいえ、今までも昆布の摂取はおそらく平均以下〜平均くらいだったと思うのですが、かなり減らしています。

まとめ

2019年12月に出産した次男の新生児マススクリーニングで先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)が疑われ、以下のような精密検査を受けた

・血液検査
・尿検査
・甲状腺エコー
・レントゲン検査
・体重・身長の計測

結果として、一過性高TSH血症の可能性が高いとの診断を受けた。

(※今後も精密検査の予定あり、追記・変更になる可能性あり)

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)の疑いは低く、一過性高TSH血症だろうとの診断になりました。
次の記事では一過性高TSH血症についてのことを書いていこうと思います。

 
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